Googleマイビジネスの投稿機能について「ちょっとハードルが高い…」と尻込みしてしまう人も少なくないようです。
確かにスマートホンで写真を撮ったらすぐにアップして終わり、の「写真」や来店したお客様のコメントに返信するだけの「クチコミ」に比べると、「大したイベントや企画も無いのにお客様につたえることなんかない」「記事やシャレたキャッチコピーとか考えないと読んでもらえないのでは?」などハードルが高いと思われるようです。
ただ、少なくともGoogleマイビジネスの投稿についてはそんな「小難しい」ことに悩む必要は全くありません。
むしろ、いろいろ一人で悩んでしまって投稿機能を利用しないことの方があなたのビジネスにとって大きな損失です。
と、言い切られてもまだご不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
これからご説明させていただきます。
Googleマイビジネス=金太郎あめ?
Googleマップを本屋に例えると、それぞれのGoogleマイビジネスは平台に積まれていたり本棚に並んでいる本のようなものかもしれません。
本屋を訪れた人(Googleマップでお店を探しているユーザー)は、店内を見渡し(ローカル検索結果から)気になった本(Googleマイビジネス)を手に取って(リストから選択して)、パラパラと立ち読みして(写真やクチコミなどの情報を見て)、内容が気に入らなければ手に取った本を戻してまた別の本を手に取ります(別のGoogleマイビジネスを開く)。
そして、気に入った本、探していた本を見つけたユーザーはいそいそと本を携えてレジへと向かうのです(ビジネスを訪問するのです)。
ただし、Googleマイビジネスが本屋の本と大きく異なるところがあります。
それは、本であれば様々な意匠を凝らした装丁や印象的なキャッチコピーが書かれた帯によって自身をアピール出来るのに対して、Googleマイビジネスの構成はカテゴリごとに統一されており、バナー画像やGoogleストリートビューといった一部の目立つ画像を除けば一目で差別化できる特徴的な情報を持っていない、一言でいえば「見た目はどれも同じ」、まさに金太郎あめのようなものなのです。
かつてはGoogleマイビジネスの情報の中で最も目立つ場所にあるビジネス名に地名や検索ワードを盛り込むことで、ユーザーの注意関心を引く(と同時に検索エンジンを騙す)手法が流行ったことがありましたが、Googleの厳しい監視とペナルティによって今やそういった手法は使えなくなっています。
ユーザーを欺く狡い手を使って検索順位を上げようとする悪質なビジネスが排除され、進化したGoogleの検索エンジン、検索アルゴリズムによる公平なローカル検索結果が保証されるのはユーザーはもちろん真面目に仕事をしているビジネスオーナーにとっても悪いことではありません。
しかしその反面、同じ見た目のGoogleマイビジネスではビジネスの特徴や他者と差別化できるところが見え難くなり、結果としてビジネスオーナーのフラストレーションが高くなるだけでなく、ユーザーも望む場所を見つけることが難しくなるというデメリットも指摘されています。
「いつでも・簡単に・多くのユーザーへ」ビジネスをアピール
では、一見するとどれも同じに見えるGoogleマイビジネスで、ビジネスの特徴をユーザーにアピールするにはどうすればよいのでしょうか?例えば、
- 早い者勝ち!人気の限定商品が来週入荷予定。予約受付中!
- 新酒の季節です!純米大吟醸新酒初蔵出し。30本限定お早めに!
- 先着10名様限定モニター募集。アンケートにお答えいただいたお客様は特別コースが30%OFF!
- 本日のお品書きはこちら!瀬戸内の春を告げる「いかなごの新子」おすすめです!
こういった「すぐにでも周知させたい」「期間・数量限定」といった告知やキャンペーン案内であれば、最適な手段がGoogleマイビジネスにあります。
それが、Googleマイビジネスの「投稿」機能なのです。
その最大の特徴は「いつでも簡単に」PRを作成できること。
例えば旬の走りのヤングコーン入荷を知らせるこの投稿であれば、
- ヤングコーンの写真を撮る。
- Googleマイビジネスの投稿機能を開く。
- テキストを入力する。
のわずか3ステップ、5分もかからずに作ることが出来ますし、作成後すぐにGoogleマイビジネスに公開されます。
そしてこの「投稿」機能のもう一つのメリットは、「多くのユーザーへアピールできること」。
「投稿」はGoogleマイビジネスに備わる機能なのでGoogleマップからの検索で表示されるのは当然ですが、ユーザーが投稿を見ることができるのはGoogleマップからだけではありません。
実は「投稿」で作成された記事はGoogle検索で行きたい場所を探しているユーザーへもナレッジパネルの情報として公開されているのです。
ナレッジパネルとは?
地図サービスにおいてGoogleマップのシェアは「行きたい場所を探す・見つける」という目的から見れば地図の方がその目的に合致しているので、ユーザーのおよそ半分、44%は地図サービスを利用しており、そしてそのうちの70%がGoogleマップを利用しているとされています。
GoogleマイビジネスはGoogleマップでしか見られない!?-情報の編集-ビジネス情報
しかしこれは言い換えれば、約半分のユーザーは地図サービスではなく「普通の」検索エンジンを利用している、すなわちGoogleマイビジネスを見ることができない、と心配になるビジネスオーナーもいらっしゃるかもしれません。
でも、どうぞご安心ください。ナレッジパネルからでも「投稿」を見ることができるということはすなわち、Googleマップを利用しない残りの50%のユーザーへもビジネスのアピールができることになるのです。
検索キーワードにも対応
さらに昨年末からは、「投稿」に書かれた記事の内容が検索対象として検索キーワードに対応するようになりました。
以前からクチコミの内容について検索対象となっていましたが、「投稿」記事の内容がユーザーの検索対象となることはクチコミのそれよりもビジネスオーナーにとって非常に大きな意味があります。
と言うのも、ユーザー目線の「クチコミ」は来店したユーザーが入力するものですから、どういったクチコミが書かれるかはユーザーに委ねられ、その内容へのビジネスオーナーの関与はできないか、できたとしても極めて限定されてしまいます。
しかし「投稿」はビジネスオーナーが作るものですから、その内容はビジネスオーナーが自由に決めることができます。
単刀直入に言えば、投稿内容にビジネスのサービス名や商品名を加えることで、ビジネスの特徴をユーザーへ積極的に発信することできる、ということです。
実例をご覧ください。
神戸市にある「炭火焼き鳥 鳥っぷ 神戸三宮」では、限定日本酒である「醸し人九平次うすにごり」の入荷をお知らせするために投稿記事を作成、公開しました。
この記事が投稿されてから4日目ですが、この限定日本酒「醸し人九平次うすにごり」でローカル検索した結果がこうなります。
拡大してみましょう。
ローカル検索のトップは「炭火焼き鳥 鳥っぷ 神戸三宮」のGoogleマイビジネスですが、そこには!マークのアイコンとともに”醸し人九平次うすにごり。今年も入荷してます。”とのテキストが表示されています。
ここから、Googleマップの検索エンジンは「醸し人九平次うすにごり」をキーワードとするローカル検索結果として、このキーワードが含まれたGoogleマイビジネスの「投稿」記事をもとにして、「炭火焼き鳥 鳥っぷ 神戸三宮」を検索リストのトップに選んだということが分かります。
もしあなたのビジネスに上記のような商品やサービスがあるならば、積極的に投稿を活用すべきです。
選べるバリエーション
Googleストリートビューの「投稿」機能の素晴らしいところはまだ他にもあります。
それはアピールする内容や目的に合わせて複数のバリエーションが最初から用意されていることです。
こちらは「投稿」作成のメニューですが、まず大きなバリエーションとして4種類が用意されています。
特典を追加 | ユーザーへプレゼントやクーポンを提供するための説明や開始/終了日、クーポンコード、WEBページへのリンクなどを設定できます。なお特典については他の投稿よりも上部(目立つ場所)に配置されます。 |
最新情報 | ユーザーへ新製品やサービスを告知するのに使用。1週間掲示されます。1記事に写真・動画を10枚まで添付できる上、予約、オンライン注文、購入、詳細、登録といったページリンクや電話番号などを表示できます。 |
イベント | ビジネスでのイベントを告知できます。開始日時/終了日時を指定することで期間(時間)限定のイベントが告知できます。 |
商品 | 商品・サービスに画像や説明、価格を告知できます。こちらで追加した商品・サービスは「商品カテゴリ」としてまとめて管理することができます。 |
それぞれ設定できる内容が異なるのですが、ユーザーへ伝えたい情報、メッセージによって上手に使い分けることが大切です。
例えば期間や時間限定のキャンペーン告知であれば、キャンペーン期間や時間も非常に重要な情報ですから、期間設定が可能な「イベント」を使用すべきです。
旬な食材の入荷といったタイムリーな情報や特別な事情でお休みすることの告知であれば、写真とテキスト(テキストだけでも可能ですが)だけ入力すれば1週間情報を公開できるシンプルな「最新情報」もが便利です。
紹介したい定番サービス、商品がいくつかあるということでしたら、価格表示やカテゴリ分類も可能な「商品」が便利です。
このように告知したい内容やその時期、期間など事情に応じて利用する投稿を使い分けることで、ユーザー(見込み客)との交流促進やセール、企画、ニュースなどの情報を簡単に、しかもタイムリー(即時)に提供することが可能なります。
投稿作成のポイント
- 写真を添付しましょう。
商品以外は写真無しでも公開できますが、テキストだけではユーザーの関心を引くことは難しいでしょう。
別にプロのカメラマンに依頼する必要はありませんが、「明るく」「ピントが合っている」「商品がはっきり写っている」写真を選びましょう。
なお、写真では画像解像度が300×400ピクセル以上、画像サイズは10KB以上が最低条件ですが、そのサイズだと小さ過ぎますし画像も美しくないはず。
投稿で使用する写真の最大解像度は10,000×10,000ピクセル、サイズも25MB以下までとかなり余裕があるので、メールや他のSNSに写真を上げる時のように敢えて画像サイズを小さくする必要はありません。
商品・サービスの魅力が伝わるように高解像度の美しい画像を使用しましょう。 - 動画も使用できます。
投稿では動画で商品・サービスを紹介することも可能です。
AVI、MP4、MOV、FLV、WMV、MPG、M4V、MKV、M2TS、MTSの動画形式が使用可能で、サイズも100MBまで可能です。 - タイトル・詳細をつけましょう。
特典とイベント、商品/サービスについてはタイトルが必須です。全角29文字(半角58文字)以内でその内容を端的に表すタイトルを考えましょう
また、その内容を説明する詳細文を全角750文字以内でつけることができますが、Googleマイビジネスやナレッジパネルのトップ画面では先頭の一部しかダイジェスト表示されません。
特別にアピールしたい情報はできるだけ詳細文の先頭30文字から40文字以内に配置するように心がけましょう。 - 行動を促すフレーズを埋め込みましょう。
単に商品・サービスを紹介するだけでなく、その購入や利用を促すフレーズをタイトルや詳細文に埋め込みましょう。
「是非ご賞味ください」「お買い求めください」といった直接的な表現だけでなく、「期間限定」「無くなり次第終了」「1日10食限り」といった婉曲表現もユーザーの興味関心を掻き立てるかもしれません。
以下のページではGoogleが具体的な事例をいくつか紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
投稿作成の際に注意すべきこと
投稿作成のポイント、ユーザーへより効果的に情報を伝えるポイントは上に述べましたが、同時に投稿作成の際に注意すべきこと、別の言い方をすれば「使ってはいけない」手段や言葉も知っておく必要があります。
Gogoleは、投稿をはじめとする全てのGoogleマップに関するポリシー(決まり)として、
禁止および制限されているコンテンツ を10項目の例を挙げています。
非常に重要な内容なので、以下にその内容を抜粋してご説明します。
- スパムと虚偽のコンテンツ
事実に基づかない虚偽の内容、クチコミなどの評価を操作する意図の投稿、同じ内容を複数投稿、同じ場所に関する情報を複数のマイビジネスから投稿などはしてはいけません。 - 関連性のないコンテンツ
その場所で体験していないこと、その場所に関係ないこと、政治的または社会的な主張、個人的な不満の表明のためにGoogleマイビジネスを利用してはいけません。 - 制限されているコンテンツ
特定の規制、各地域で規制対象となっている商品サービスについて投稿する際はそれぞれに該当するガイドラインを遵守すること(タバコ、アルコール、ギャンブル、銃など)。
また、そのような商品サービスを購入できるページへのリンク、購入できる場所の連絡先、販促プロモーション(特典、販促セール、クーポン、価格情報など)を投稿してはいけません。 - 違法なコンテンツ
「著作権を含む権利を侵害するもの」「性的虐待のあらゆる画像、児童を性的に表現したあらゆるコンテンツ」「危険行為や違法行為(レイプ、臓器・人身売買など)を描写したコンテンツ」「違法な商品やサービス(絶滅危惧種の動物、違法薬物、非合法な市場に転売されている処方箋)」、「露骨な暴力、不当な暴力を描写、または助長する画像」「テロリストによって制作された、または彼らのために制作されたコンテンツ」 - テロリストのコンテンツ
いかなる目的であってもテロ組織の利用を禁止。テロ行為を助長、称賛したり暴力を扇動するなどテロに関するコンテンツは禁止。 - 露骨な性的表現を含むコンテンツ
露骨な性表現、児童の性的虐待や性的な意味合いで表現するコンテンツは禁止(コンテンツ削除だけでなくアカウントの停止及び全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)および警察当局へ報告も)。 - 不適切なコンテンツ
わいせつ、冒涜的、不適切な言葉やジェスチャーを含むコンテンツは削除されます。 - 危険なコンテンツおよび中傷的なコンテンツ
「自分自身または他人へ危害を加えると脅す、または奨励する」「個人または個人で構成されるグループへの中傷、威嚇、攻撃する」「人種、民族、宗教、障がい、年齢、国籍、従軍経験、性的指向、性別、性同一性や、制度的人種差別や疎外化に結び付くその他の特性に基づいて個人またはグループへの憎悪を促す、差別を助長する、または誹謗する」コンテンツの禁止。 - なりすまし
Google マップを使って他人を欺くことは許可されません。他の個人や企業、組織を代表する権限がない場合は、投稿コンテンツをそれらの個人や企業、組織に関連付けて表示してはいけません。 - 利害に関する問題
「自分の店やサービスのクチコミを投稿すること。」「 現在または過去の職場に関するコンテンツを掲載すること。」「競合他社に関するコンテンツを投稿して評価を操作すること」
常識的に考えて使用が許されないコンテンツであることが容易に判断できる項目もありますが、解釈に注意が必要なものもあります。
例えばユーザーに好印象を与えるために誇大に美化、称賛する内容の記事を投稿するのは「1.スパムと虚偽のコンテンツ」に該当しますし、もしそのビジネスのサービスを利用していない、商品を実際に購入・使用していないのにクチコミをアップしたらそれは「2.関連性のないコンテンツ」になるだけでなく、他人を欺くという目的から「9.なりすまし」とみなされる可能性もあります。
さらに、ビジネスオーナー自身や従業員が自らのGoogleマイビジネスにクチコミを書き込む、または外部の業者へGoogleマイビジネスのクチコミを依頼するのは、「10.利害に関する問題」に違反する行為です。
競合のビジネスを貶めユーザーの評価を下げる意図で投稿を作成したりクチコミをアップすることも「10.利害に関する問題」に抵触します。
社会的な常識に反する、公序良俗に反する内容もいけませんが、同時にGoogleマップの利用者の判断を誤らせる、Googleマップの信頼性、公平性を妨害するとみなされる行為についても、コンテンツの削除やアカウント停止といった厳しいペナルティがGoogleから課される恐れもあります。
特に、MEO対策を外部に委託する場合、「ローカル検索順位を3位以内にします」と約束する業者の中には、短期に結果を出すためにこれらの手法を使うところがありますので、対策の内容については詳しく確認することをお勧めします。
「習うより慣れろ」
投稿機能についてご説明してきましたが、そのメリットやポイントについてご理解いただけたましたでしょうか?
最後に一つ、この投稿機能についてお客様にご説明した際に多くいただく反応が「どんな記事を書けばいいのかが分からない…」です。
確かにGoogleマイビジネスの情報の多くがGoogleの指定する形式でしか入力できなかったり、Googleの質問に答える形でしか設定出来なかったりする中で、ほとんど自由に作成できる投稿はその自由さ故に悩まれることもあるでしょう。
また4つあるメニューのどれを使うべきか?というのも不安に思われる方もいるかもしれません。
しかしこの問題に対する最も簡単で、かつ有効な解決法は、「習うより慣れろ」、まずは何でも良いので実際に投稿することです。
上に紹介しました限定日本酒の入荷を知らせる鳥っぷの実例は、タイトルも期間も設定不要な「最新情報」を使用し、その内容も
- 具体的なお酒の銘柄
- 季節が来たので今年も入荷した
- 早い者勝ちだから早く来てね
の3点を伝える50文字ほどの詳細文とお酒の写真だけ、と非常にシンプルです。
少しでも多くの情報をユーザーに提供したいと考えるビジネスオーナーの気持ちも理解できますが、ユーザーが同じ気持ちとは限りませんし、むしろビジネスオーナーの熱い気持ちや詳細すぎる情報はユーザーの読む気を失せさせることもあり得ます。
感動的な、詳細な説明を考えるのに時間をかける必要は、少なくとも投稿に関しては不要です。
特別なことではなく、今日のメニューや推しの商品、サービス、といった日常の内容を、スマートホンで撮った画像と簡潔な紹介文で発信するだけでも、ユーザーとのコミュニケーションが深まります。
難しいことは考えず、まずは始めてみてはいかがでしょうか?
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