ストリートビュー撮影のプラン別所要時間と撮影現場の舞台裏

「ストリートビューの撮影って、現場でどれくらいかかるの?」「プランによって時間が違うのはなぜ?」—— こうしたご質問をよくいただきます。

この記事では、ストリートビュー撮影のプラン別所要時間と、その裏側で何が行われているのかを解説します。撮影ポイント1箇所あたりの作業内容・店舗外観の撮影ルール(3・1・1ポリシー)・複数フロアや飛び地で使うマルチレベルモード・撮影後の編集工程まで、認定フォトグラファーの現場視点でご紹介します。

プラン別の所要時間目安

ストリートビュー撮影の所要時間は、撮影ポイント数に応じて決まります。弊社で一般的にご案内している目安は次の通りです。

プランポイント数現場所要時間おすすめ店舗
SMALL3ポイント約1時間5〜10坪・動線が一本道の小規模店
MEDIUM4〜7ポイント約2時間10〜20坪・個室や外観も撮影
LARGE8〜11ポイント約3時間30坪以上・複数フロア・動線に分岐あり
LARGE+12ポイント〜最大4時間前後大規模施設・ホテル・公共施設等

この時間は「カメラマンが現地に到着してから、撮影を終え機材を片付けて退去するまで」の現場作業時間です。撮影後の編集・ぼかし処理・公開作業は弊社社内で行うため、お客様の拘束時間はこの目安時間のみです。

撮影1ポイントあたりの作業内容

なぜ1ポイント増えると十数分〜二十分ほど撮影時間が長くなるのか。その理由は、1ポイントあたりに行う作業工程の多さにあります。

1ポイントの撮影フロー

  1. 撮影位置の決定: 動線・構図・他ポイントとの距離を確認して三脚を設置
  2. 水平・高さの調整: カメラ本体を正確な水平状態にセットアップ(ステッチ精度に直結)
  3. 露出・ホワイトバランスの設定: 光源条件に合わせて最適化
  4. 水平方向の回転撮影: カメラを水平方向に少しずつ回転させながら複数枚撮影
  5. 撮影画像の確認: 人物写り込み・ブレ・フォーカスの確認
  6. 必要に応じて再撮影: 問題があれば即その場で撮り直し
  7. 次ポイントへ移動: 三脚をたたんで次の撮影位置へ

1ポイントの撮影そのものは数分ですが、「位置決め・水平出し・再撮影」を含めると10〜15分が目安です。これが各ポイントで発生するため、ポイント数に比例して所要時間が伸びていきます。

品質を決めるのは「水平と位置決め」

ストリートビューでは複数の撮影ポイントを「矢印」で結んで、歩き回るような体験を構築します。この矢印が自然につながるためには、各ポイントの水平が正確に出ていることと、ポイント間の距離・向きが一定のルールに則っていることが必須です。

個人向け360度カメラを使ったDIY撮影で「矢印がつながらない」「ポイント間で視点が急に飛んで酔う」という問題が起きるのは、この水平と位置決めが疎かになっていることが主な原因です。弊社のような認定フォトグラファーは、この工程に最も時間をかけています。

店舗外観の撮影ルール「3・1・1」

屋内版ストリートビューと言っても、店舗の外観・入口周辺は原則すべての物件で撮影します。これは弊社の基本撮影ルール「3・1・1」として全案件で適用しています。

3・1・1 の意味

  • 店舗の外側 3m 前で 1ポイント: 店舗の全貌・看板・アプローチが見える距離
  • ドアの外側 1m で 1ポイント: 入口の雰囲気・ドア周りの意匠が見える距離
  • ドアの内側で 1ポイント: 店内に入った瞬間の印象を伝える位置

つまり SMALL プラン(3ポイント)は、この3・1・1だけで構成されるケースが基本です。MEDIUM以上のプランでは、この3・1・1に加えて店内の撮影ポイントが追加されていきます。

なぜこの3ポイントを必ず撮るかと言うと、Googleマップで店舗を見つけたユーザーが「行きやすさ」「入口の雰囲気」「入店時の印象」を連続的に体験できるためです。外観だけ・内観だけでは、ユーザーは来店の実感を持ちにくく、導入効果が薄れます。

駐車場の撮影はオプション

店舗外・入口付近は3・1・1で撮影範囲に含まれますが、駐車場の撮影はオーナー様のご希望に応じて追加します。郊外型の店舗やお客様が車利用中心の業種では、駐車場の位置・広さ・案内表示をストリートビューで見せることが来店の安心感につながります。

複数フロア・飛び地がある施設のマルチレベルモード

店舗・施設が複数フロアにまたがる場合や、離れた場所(飛び地)の撮影が必要な場合に用いる仕組みとして「マルチレベルモード(エレベーターモード)」があります。フロアや飛び地ごとに別撮影として発注するよりも費用を大きく節約できるため、該当するケースでは積極的にご提案しています。

マルチレベルモードは、各フロアの撮影ポイントを1本のストリートビューとして接続する仕組みです。エレベーターのような遷移でフロアを行き来できるため、別々のGoogleマップ登録や別々の撮影ポイントとして処理する必要がありません。

マルチレベルモードの詳細な仕組みと活用事例については、Googleストリートビュー撮影費用を軽減する方法-マルチレベルモードの記事で解説しています。

撮影完了後の編集工程

現場での撮影が終わったあと、実はストリートビューが公開されるまでには弊社社内で複数の編集工程があります。お客様のご負担はありませんが、仕上がり品質を決める重要な作業です。

編集の4ステップ

  1. ステッチ処理: 複数枚の画像を繋ぎ合わせて360度のパノラマ画像を生成
  2. 色補正・明るさ調整: 店内の雰囲気を正確に伝えるための微調整
  3. ぼかし処理: 人物の顔・車両ナンバー・個人特定に繋がる情報をぼかし
  4. ポイント接続: 撮影ポイント間の矢印配置・マルチレベルモード設定

公開までのリードタイム

撮影完了から公開までの期間は、弊社の自社目標で7営業日以内を掲げています。実質的には撮影後1週間以内にGoogleマップ上で閲覧可能な状態になります。

ただし、ごくまれにGoogle側のサーバーに障害が発生し、ポイント間を結ぶ矢印が表示されない等の不具合が出ることがあります。過去の経験では、この種の不具合が2〜3週間続いたケースもあります。Google側のトラブルのため弊社では対応できない性質のものですが、そのようなリスクがあることはあらかじめご了承ください。

所要時間に影響する要因

プラン別の目安時間は標準的なケースを想定しています。以下のような条件では、実際の所要時間が前後することがあります。

時間が伸びる要因

  • 撮影ポイント周辺が片付いていない(当日に整理が必要)
  • 照明が不足・電球切れで露出調整に時間がかかる
  • 営業中の撮影で、お客様の動線を避けながらの作業が必要
  • 撮影ポイントの変更・追加がその場で発生する
  • 立ち会い者の判断が必要な場面で連絡確認に時間がかかる

時間が短くなる要因

  • 事前準備が万全(片付け・照明点灯・立ち会い者確定)
  • ポイント配置が事前設計通りで変更なし
  • 撮影当日に集中できる環境(混雑ピーク時を避ける等)

撮影前日までの準備が仕上がり品質と所要時間の両方を左右します。事前準備の詳細については、ストリートビュー撮影の流れと事前準備チェックリストの記事もあわせてご参照ください。

まとめ

  • 現場所要時間の目安: SMALL 約1時間・MEDIUM 約2時間・LARGE 約3時間・LARGE+ 最大4時間前後
  • 1ポイントの撮影には10〜15分(位置決め・水平出し・撮影・確認含む)
  • 店舗外観は全案件で3・1・1ポリシー(店舗外3m・ドア外1m・ドア内)を適用
  • 複数フロアや飛び地の撮影ではマルチレベルモードで費用を抑えられる
  • 撮影後はステッチ・色補正・ぼかし・ポイント接続の編集を経て、7営業日以内に公開

撮影時間に関するよくあるご質問

Q
一番小さいプランで本当に1時間で終わりますか?
A

はい、SMALLプラン(3ポイント撮影)であれば現場作業は約1時間が目安です。ただし、事前準備が整っていない場合や、撮影ポイントの変更がその場で発生する場合は、数十分延びることがあります。

Q
撮影ポイント数を1つ増やすといくら・何分増えますか?
A

LARGE+プランでは、1ポイントあたり3,000円(税別)で追加撮影が可能です。所要時間の目安は1ポイントあたり10〜15分です。

Q
駐車場の撮影は必ず必要ですか?
A

店舗外観・入口周辺は3・1・1ポリシーで全案件に含まれますが、駐車場の撮影はオーナー様のご希望に応じて追加するオプションです。車利用のお客様が多い店舗では効果的ですが、駅近店舗では省略されるケースが多いです。

次に読むべき記事

撮影当日の流れと所要時間を把握したところで、ここまでが第3章「機材・コスト・プラン」です。次の第4章では、公開後のストリートビューをどう活用するかを学びます。


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この記事を書いた人

友添 成隆

友添 成隆

日本のインターネット黎明期から活躍するITコンサルタントです。ドメインレジストラ事業、レンタルサーバ事業、Web開発事業など、多岐にわたるプロジェクトを手掛けてきました。その後、企業向けグループウェアのASP事業や大手不動産企業のWeb開発にも携わり、豊富な経験を積んでいます。2015年からは、株式会社おもてなしドットコムの代表取締役として、ストリートビューや360度ビュー(バーチャルツアー)の提供、MEO対策、中小企業のITコーディネーターなど、多方面で活動を展開しています。これらの取り組みを通じて、日本のIT業界の発展に大きく貢献しています。